第8回【“楽しい”をアニメを通じて提供するエンターテイナーに】90年代アニメ好きな美大生にインタビュー

Profile

東京造形大学 造形学部 デザイン学科 アニメーション専攻 2年

根本 妃菜(ねもと ひな)

 自由に作品を作り出すクリエイター達の宇宙を聞き出すインタビューの第8回。今回イ ンタビューしたのは、造形大学でアニメーションを中心に学んでいる根本妃菜さん 。  

 彼女の作るアニメーションはどこか懐かしさを感じつつ、特徴的なキャラクターがとても魅力的である。

  本インタビューでは、彼女の「アイディアの引き出し」を中心に日常に潜んだインス ピレーションを探ってみた。

動きをクリエイトする


--現在大学で学んでいることは?

根本妃菜(以下、根本):アニメについて全般的に学んでいます!特に商業アニメーションについてなど、大学ならではの専門的な知識を得ることができるのが魅力的ですね。造形大学は「アニメとは?」を1から学ぶことができる場所だと思います。手書きアニメーションだけでなく、切り紙アニメーションや人形アニメーション、粘土やコマ撮りなど幅広く学んでいますね!

 

--特に好きな授業はありますか?

根本:全部楽しくて悩みますね〜!でも、手書きアニメーションと人形アニメーションがすごく楽しかったです。この2つは自分の手で動かした感が強くて。キャラクターの動きを人の手を加えた感が強いアニメーションが好きですね!

 

--キャラクターを動かすことが好きなのですか?

根本:アニメーションは動きをクリエイトする事だと思っていて。キャラクターたちを動かすことが好きなので、アニメ制作が大好きですね。ディズニー作品のようなヌルヌルとした動きのアニメ―ションより、ポップでクイックな動きの方が好きです。

 

--好きな動きを描くクリエイターはいますか?

根本:アニメーターの湯浅政明さんですね!クレヨンしんちゃんの映画の「アクション仮面VSハイグレ魔王」のDVDが家にあって。映画の中で追いかけっこシーンがあるのですが、これが物凄い神作画なんです!小学生でも凄さがわかりました。動きがオーバーなはずなのに妙に納得してしまう説得力があって。その不思議な動きで見ているこっちを楽しませてくれる尊敬できるクリエイターです!

切り紙アニメーション「hungry  animal」

切り紙アニメーション「hungry  animal」

キャラクターから生まれる作品


--早速ですが、根元さんの「アイディアの引き出し」は?

根本:とにかく「アニメーションが好き!」という気持ちを原動力に制作しているので、今まで好きだった過去の作品や今好きな作品からテーマを貰うことが多いですね。何描こうかな〜って思った時に考えることが「自分が描いていて楽しいものを作ろう!」って思うんです。自己満になっちゃうんですけど!(笑)それで、1番好きなキャラクターを制作するところから制作を始めますね!

 

--キャラクターを作り出すことが好きなんですね!今まで見てきた作品で好きなキャラクターは?

根本:自分の中で1番可愛い造形をしているキャラクター達が全部90年代のアニメーションのものなんです。その中でもめっちゃ好きなのがセーラームーン!目が特徴的でとても可愛くて。自分もキャラクターを描く時にすごく目にこだわりがあるので、目に特徴があるキャラクターは好きになっちゃいますね。

 

--今まで制作してきた中で1番好きなキャラクターは?

根本:「今からふたりは名探偵」というアニメーションのシャーリーとワトソンですね!このアニメーションは5人でグループ制作をしました。企画と脚本と監督も私が担当しています!探偵に憧れている女の子が泥棒を追いかけるアニメーションです。グループの5人全員が絵柄違うので、一つの作品を作り上げるのが大変でした。

 

--このアニメもキャラクターから制作を?

根本:そうなんです!なので、どういうストーリーにしようか考えるのが大変でした(笑)大好きな90年代アニメーションを参考に、キャラクターの色を持ってきています。赤髪のキャラを徹底的に調べ上げて、元気で明るい理想の赤髪のキャラを作り出しました!

グループ制作「今から2人は名探偵」

グループ制作「今から2人は名探偵」

グループ制作「今から2人は名探偵」

グループ制作「今から2人は名探偵」

レジェンド セーラームーン


--小さい頃からアニメをよく見ていたんですか?

根本:もうずっと小さい頃はアニメばかり見ていました!宿題をやりながらもずっと見ていましたね。絶対にダメなんですが!!!当時はよく知らなかったので、YouTubeの無断転載でいろんなアニメをいっぱい見ていました…(笑)パソコンに齧り付いてずっと見ていましたね。

 

--特に好きなアニメはなんですか?

根本:セーラームーンですね!もうレジェンドです。一生参考にし続けるし、憧れ続けると思います。あとはゴーストスリーパー美神とか!可愛いだけじゃなくて、精神的に強い女の子が大好きなんです。昔一瞬でも見て「好きだ!」と思った作品を今でも追い続けていることが多いですね!

 

--やはり90年代のアニメが好きですか?

根本:子供の頃に見ていたアニメが90年代のアニメばかりで。その影響か90年代のアニメが大好きですね!私の中のアニメのルーツになっていて。セル画の手書きの作業の暖かい感じや、使える色か限られた原色バキバキの色などがたまらないんです!

高校卒展アニメーション作品
「リカバリーキョンシーユーエンくん」

高校卒展アニメーション作品
「リカバリーキョンシーユーエンくん」


高校卒展アニメーション作品
「リカバリーキョンシーユーエンくん」

高校卒展アニメーション作品
「リカバリーキョンシーユーエンくん」

インド映画の世界へ


--映画からもアイディアをもらうことがありますか?

根本:ありますね!絵作りやストーリーの展開のさせ方など、映像から学べることが多いです。実はアニメも多く見ているけど、それ以上に映画館に足繁く通って映画の方が多く見ているんです!映画ばかり見ているけど大事だと思うのが、アニメを作るからこそアニメばかり見ずに他のものにたくさん触れるべきだと思うんです。

 

--なるほど!確かに!

根本:いろんな経験が作品制作に役立っています。いろんなジャンルの作品をたくさん見て、少なからず影響を受けています!

 

--特に好きな映画は?

根本:インド映画の「RRR」はとても面白くて一時期ハマりましたね!初めて見た時は超衝撃的でした。3時間と長い映画なのですが、その長さを感じず体感3秒でした。後日撮影裏の映像をたくさん見たのですが、スタッフも、俳優もみんな楽しそうなのが良かったです。やはり自分たちチクる側が楽しんでいないと良い作品は生まれないと私は考えています。なので、楽しめて作れているこの映画は理想的だと思いました!

高校生の時のアニメーション作品
「あいあむ」

高校生の時のアニメーション作品
「あいあむ」

高校生の時のアニメーション作品
「あいあむ」

高校生の時のアニメーション作品
「あいあむ」

最後に


--作品制作をしている上で大切にしていることは?

根本:自分が楽しいと思える作品制作をすることです。人に楽しんでもらいたいからこそ、自分自身が楽しんでいないとダメだと考えています。やはり作った人の気持ちがアニメに出ているので、見ている人に楽しくないという気持ちが伝わってしまうことは絶対に嫌ですね。楽しくないと思える作品制作は、一度作るのを中断します。

 

--将来の夢はなんですか?

根本:商業アニメーションを目指しています!その為にも、自分の作品をもっと作りたいですね。ずっとアニメーションだけを作り続けたいです。それは手書きだけじゃなくても、さまざまな技法でアニメーション自体はずっと作り続けたいですね。

文・構成/大橋麻衣



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