第5回【美しい瞬間の為に、止まらずカメラを回し続ける。】
クレヨンしんちゃんが好きな美大生にインタビュー

Profile

東北芸術工科大学 デザイン工学部 映像学科 2年

大津 愛来(おおつ あいら)

 自由に作品を作り出すクリエイター達の宇宙を聞き出すインタビューの第5回。今回インタビューしたのは、東北芸術工科大学で様々な映像ついて深く学んでいる大津愛来さん。

 彼女の映像は、自然な表情を捉えた作品が多い。作った表情でなく、一瞬を切り取った表情は生き生きとしていて思わず目が惹かれてしまう。


 本インタビューでは、そんな彼女の「アイディアの引き出し」を中心に、彼女の日常に潜んだインスピレーションを探ってみた。

憧れの先生の元で学ぶ

--現在、大学で学んでいることはなんですか?

大津愛来(以下、大津):映像について幅広く学んでいます。例えば、3DCGやMVやC Mとか。他にも映画やアニメまで。好きなものを選んで学べます。特に好きな授業はMV、逆に嫌いなのはCMですね。決まり事が多いので(笑)

 

--なぜMVの授業が特に好きなのですか?

大津:CMと逆で、自由に制作できるからですね!指図されたり、制限が多い制作が好きでは無いです。自由が好きなんです。さらに講師の先生が、私の尊敬するミラーレイチェル知恵である事も大きな理由ですね。

 

--え!それは最高ですね!

大津:そうなんですよ!ミラーレイチェル智恵は、ずっと憧れの方で。実際に会えてとても嬉しいです。生き方にも憧れますが、特に女の人の撮り方が本当に上手なんですよ。私が思う美しい瞬間は、着飾った瞬間ではなくて。ミラーレイチェル智恵はその自然体の瞬間を切り取ることが、とても上手なんです。

大学1年時の映像作品「私と循環」

大学1年時の映像作品「私と循環」

大学1年時の映像作品「私と循環」

大学1年時の映像作品「私と循環」

命をかけて編集を

--早速ですが「アイディアの引き出し」はなんですか?

大津:常に日常生活からインプットしていますね。見た綺麗な景色や良い角度を言語化して、書き残しています。しかし、無意識に様々なものに影響されやすいです。色々なMVやアニメを見るので、そこからインプットしていることも多々ありますね。

 

--何か特に好きなMVはありますか?

大津:先程も言っていた憧れの監督である、ミラーレイチェル智恵の「ふたりの世界」や「散々花嫁」が大好きですね。私が映像を撮りたくなったのも、このMVに出会ったことがきっかけです。映像の中の女性が自然体で、美しくて。私が思う美しい瞬間とは“着飾った瞬間ではない”ので、思わず見惚れてしまいました。

 

--確かに!大津さんが撮る映像作品は“自然体”であることが多いですよね。

大津:そうなんです!自然な動きが良いので、撮影時はカメラをずっと回しっぱなしにしています。その代わり、編集作業がとても大変で(笑)。命をかけて編集していますね。最近制作したMVでも、テーマを「自由」にしてずっとカメラを回しっぱなしで撮影してました。

大学2年時のグループでの映像作品
テーマ「自由」

大学2年時のグループでの映像作品
テーマ「自由」

大学2年時のグループでの映像作品
テーマ「自由」

大学2年時のグループでの映像作品
テーマ「自由」

大学2年時のグループでの映像作品
テーマ「自由」

大学2年時のグループでの映像作品
テーマ「自由」

大学2年時のグループでの映像作品
テーマ「自由」

女性の魅力を伝えたい

--影響を受けた作品はありますか?

大津:沢山ありますね〜。またしてもミラーレイチェル智恵のことになってしまうのですが、先ほど名前を挙げた「散々花嫁」から強く影響を受けて。高校の卒業制作の作品を撮影しました!

 

--どんな所を影響受けましたか?

大津:やはり、女性がとても魅力的に撮影されている所ですね。足や瞳など様々な部位を撮影していて、見ていて飽きないですね。初めて見た時とても感動して「卒展で絶対女性を被写体に作品を撮りたい!」と決意しました。

 

--それがきっかけだったんですね。その作品はどんなテーマなのですか?

大津:「Signal」という題名で、夢をテーマに制作しました。この夢は実際に見た夢の世界を参考にしていて。その中に登場した3人の女性を信号機イメージにして撮影しました。実は、作中に出てくる3人の女性は中学時代の親友で。それぞれタイプが違うからこそ、信号機というイメージが際立ちました。

 

--どんなことを伝えたいという思いで撮影を?

大津:とにかく、この3人の魅力を、女性の魅力を伝えたいと思って撮影しました。この作品も自然体でありのままの3人を撮影したいと思い、ずっとカメラを回して、追い続けて撮りました。やりたいことが全てできたので、満足した作品となりました!

高校の卒業制作 映像作品「Signal」

高校の卒業制作 映像作品「Signal」

高校の卒業制作 映像作品「Signal」

高校の卒業制作 映像作品「Signal」

尊敬する人はひろし

--尊敬している人はいますか?

大津:ひろしです!「クレヨンしんちゃん」の!(笑)彼は良いところも悪いところもあるんですが、それが良くて。家族愛が強く、しっかり頑張りを見てくれる。バカで、他人思いの優しい男なんです。

 

--ひろしとは意外でした!「クレヨンしんちゃん」が好きなのですか?

大津:子供の頃から大好きです!落ち込んでいる時によく見て、元気を貰っています。子ども向けなのに、難しい。大人も学べる事がある、そんな深いストーリーが良いんですよね。キャラクターも惹かれるキャラが多くて。特に、映画の悪役が憎みきれない良いキャラクターなんですよ!

 

--特に好きな作品などありますか?

大津:特に好きなのは2002年に公開された「アッパレ!戦国大合戦」ですね!戦国時代にタイムスリップしたしんのすけが色々と奮闘する話なのですが、本当にこの作品がめっちゃ泣けるんです。特に侍である井尻又兵衛由俊のキャラクター性がとても良くて!強くて、可愛くて、最高なんです。時代背景など細かいところも凝っていてかなりおすすめです。人生で一度は見るべき作品です!

高校の卒業制作 映像作品「Signal」

高校の卒業制作 写真作品「Signal」

最後に

--作品制作をする上で大切にしていることは?

大津:自分と関わってきたものと経験から作品を作り出すことですね。やりたい表現と経験を繋げると楽しいし、良い作品が出来ます。そのためにも、日常生活のインプットの充実さが重要ですね。

 

--将来の夢は?

大津:正確にまだこれといった夢はないですね。しかし、ずっと楽しいことをしていたいという思いはずっとあります。楽しいことを仕事にして、好きなことをずっと続けていたいです。あと、アニメや漫画などの趣味も大切にしたいですね。

構成・文/大橋麻衣

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