自由に作品を作り出すクリエイター達の宇宙を聞き出すインタビューの第4回。今回インタビューしたのは、女子美術大学でメディア表現について幅広く学んでいる岡崎愛夏さん。
彼女の話をする上で「ンゴまる」というキャラクターは欠かせない。一度見たら忘れられない、不思議な世界観を作り出す彼女のインスピレーションは興味深いものばかり。
そこで本インタビューでは、「アイディアの引き出し」を中心に、彼女の自由な世界を覗いてみた。
私の中にあるものをそのまま
--現在、大学ではどのようなことを学んでいますか?
岡崎愛夏さん(以下、岡崎):アニメーションや映像を中心に幅広く学んでいます。IllustratorやPhotoshopなどのAdobeソフト系を多く使う課題が多いですね。
--大学以外で、普段はイラストなどを描く事が多いですか?
岡崎:実は最近、イラストはあまり描かなくなってきました。「好きに描こう」という気持ちより「良い絵を、上手な絵を描かなくちゃ」という気持ちが先導してきて楽しくなくなっちゃって。代わりに、今はアニメーションや2Dアニメーションに挑戦しています。
--その気持ちわかります。新しい挑戦の中でどんな作品を作る事が多いですか?
岡崎:私は堅苦しいのがとにかく嫌で。脈絡のない“何か”を作りたいと思っています。真面目に作品制作をしたくなくて…。頭で考えたくないですね。「良いもの」と言うのはある程度決まっているのです。私は、それを目指そうとは思いません。目指してしまうと、自分がつまらなくなってしまうので。私の中にあるものを、そのまま作品にしています。
新しい可能性の選択肢
--早速ですが、岡崎さんの「アイディアの引き出し」はなんですか?
岡崎:都市伝説や精神世界からですね。自分でYouTubeを検索して、たくさんの情報を探っています。これらの中でも特に好きなのが、占いで。未来を見る占いより、自分の内面を探る占いが興味深いです。あとは金縛りとか、自分の体験も源になっています。スピリチュアルな話から、哲学的な話までよく友達と会話しますね。通話で「愛ってなんだろう」とか(笑)
--哲学的なアイディアから、脈絡のない真逆な作品が生まれてくるのですね。かなり面白いです!
岡崎:確かに!小難しい話が好きですが、結局は「なんでも良いじゃん」っていう楽観的思考なんですよ。世界には宇宙の始まりとか、人類はこうであるべきとか様々な説や考えがあって。それらを何が正しいかを決めつけてしまうのが嫌ですね。私は、様々な可能性を見たいと思っているので。
--なるほど。自由を求めているのですね。
岡崎:そうです!何にも縛られたくないですね。だからこそ、見ている人にも私の精神世界を押し付けたくないようにしています。「そういう世界もありかもね」といった、新しい可能性としてみて欲しいです。作品を通して、新しい可能性を作り出し続けたいですね。
大学でのアニメーション作品「NGバーガー」
アートと創造は衝動から生まれる
--小さい頃から絵を描いていたのですか?
岡崎:明確に覚えているのは小学3年生からですね。椎名軽穂(しいな かるほ)さん原作の「君に届け」という作品に出会って。好きすぎる膨大な気持ちを自分の中だけには留めて置けずに、絵を描くことでぶつけていました。今で言う「二次創作」ですね。無意識にしていたようです(笑) 自分のために推しを描いて、自家発電していました。
--まさに“衝動描き”といった感じですね!
岡崎:そうですね!好きという衝動が原動力でした。私は“アートと創造は衝動から生まれるもの”だと考えていて。想像も我慢したら死んでしまうと思います。「人にアートは必要か」という話題がありますが、必要か以前に“作らずにいられないもの”だと私は考えます。だからこそ、私はそんな衝動から生まれる「私じゃないと書けない絵」を大切にしたいですね。
大学での課題「ンゴまる星移住パンフレット①」
謎多き生物「ンゴまる」
--岡崎さんといえば自作キャラクターの「ンゴまる」ですが、ンゴまるはいつ誕生したのですか?
岡崎:高校の時デッサン講評会中が暇で。その時に描いていた落書きからふっと生まれました。自分でももっと早く自然消滅するキャラクターだと思っていたのですが、いつの間にかここまで来ていました...(笑)
--なぜ「ンゴまる」という名前に?
岡崎:実は名付け親は私ではなくて。語尾が「ンゴ」というのだけは決まっていたので、高校のクラスメイトに「『ンゴまる』はどう?」と提案してもらったのが由来ですね。
--このンゴまるたちが暮らす「ンゴまる星」に岡崎さん自身は住みたいですか?
岡崎:住みたくはないですね〜。ンゴまる星はまさに桃源郷のような星で。私はむしろ、完璧すぎてはつまらないと思います。葛藤や苦しみは人生の隠し味で。多少の不自由さは、人生において必要なものです。だからこそ桃源郷のようなンゴまる星は、住みたくはないですね。
大学での課題「ンゴまる星移住パンフレット②」
最後に
--作品制作をしている上で大切にしていることは?
岡崎:無理をしないことですね。私自身が苦しんで制作したら、それが作品にも現れてしまいます。人の気持ちを動かす作品を作る為にも、まずは自分が無理せず制作することが一番大切ですね。
--将来の夢は?
岡崎:まだ明確には決まっていないです。依頼されて描くというより、自分の思うがまま自由に絵を描き続けたいですね。なれるのであれば作家になりたいです。あとは、いずれ「ンゴまる」のぬいぐるみを発売したいです!
構成・文/大橋麻衣
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