自由に作品を作り出すクリエイター達の宇宙を聞き出すインタビューの第10回。今回イ ンタビューしたのは、造形大学で版画を中心に学んでいる安藤舞花さん 。
彼女の作る作品は淡い色合いで明るく、可愛らしい作品が多い。そんな作品の内側に隠されたメッセージとは?
本インタビューでは、彼女の「アイディアの引き出し」を中心に日常に潜んだインス ピレーションを探ってみた。
設備が整う美大だからこそ
--現在学んでいることは?
安藤舞花(以下、安藤):1年までは油絵メインで授業が進んでいました。しかし2年生になり版画コースを選択したので、もっと専門的な授業になりました。版画の種類は大体4種類保田あるのですが、それらを幅広く版画の基礎を学んでいます。
--なぜ版画コースを選択したのですか?
安藤:油絵などは自分で画材を集めれば制作することができるのですが、版画は美大の整った設備がある今しか学べる機会がないのです。それでせっかくなら、設備が整っている今だからこそ版画をやりたい!と思いこのコースを選びました。とにかく私はいろんなことがやりたい!という気持ちが強かったですね。
--1番好きな授業はなんですか?
安藤:楽しかったなと思う授業は、シルクスクリーンですね!この技法は私の作品に直接影響はないのですが、作るのが楽しかったです。あと木版画はたくさん制作しましたね〜!銅版画も好きで制作しましたが、やっぱり木版画の方が好きですね。版画はいろんな技法を併用できるので、技法を絞らず、固執しないでさまざまな技法を混ぜて制作していきたいですね。実験みたいに!
木版画「微睡む」
木版画作品「微睡む」
個人制作のコラージュ作品「100人」
記憶に残り続ける作品とは
--自分の人生を変えた作品は?
安藤:高校の卒業制作の油絵ですね。タイトルが「emerge」。抽象画を初めてちゃんと描こう!と思い、実践した最初の作品ですね。やっぱり具象的な絵って普通の美術が疎い人が見ても意味がわからない作品だと思うんです。そんな作品でも、美術担当じゃない高校の学年主任の先生が卒展に来て感想を頂いて。作品の説明をしたら「私は説明を聞くまでこう考えていたけど、こういう意味だったんだね。」感想をもらって感動したんです。
--普通の感想にも思えますが、どんなところに感動を?
安藤:やはり美術に疎い一般的の方からの感想ってすごく嬉しくて。意味を知ることで2度美味しいというか、より作品について記憶に残ってくれていたんだと思います。卒業文集雑誌に私の作品のことをかいてくれていて。一般の人に響いた!誰かの記憶に残り続ける作品を作ることができた!というのが本当に嬉しかってですね。
--確かに!それはめちゃくちゃ嬉しいですね。
安藤:本当に嬉しかったですね〜!私は今まで作品展に入選したことも一度もなくて。本当に自分自身の作品に全然自信がなかったんです。しかしこの事をきっかけに抽象画を買い続けてみようと決意するようになりました。これからもこういった誰かの記憶に残り続ける作品を作り続けたいですね。
高校の時の卒展「emerge」
整った環境
--一番影響された画家はいますか?
安藤:印象派画家のクロード・モネですね。すごく淡い色合いとかが好きで。私の作品の参考になっています。高校生の時に美術史の弁小湯をしている時に出会って。その時からずっと好きですね。高校の卒業制作の色合いとかダイレクトに影響を受けていますね。
--音楽からも影響をもらうことは?
安藤:音楽はその曲から直接アイディアをもらうということよりも、音楽をトリガーに記憶を掘り起こすことが多いですね。私の「アイディアの引き出し」である昔の情景や、誰かとの感情をいろんな音楽を聴いて、そこから思い出すヒントになってくれます。
--小さい頃から絵を描いていたのですか?
安藤:もう物心ついた時から絵を描いていましたね。お母さんが音楽関係で技術職だったので、私が好きなことを好きなようにやることにすごく寛容的で。私がたくさん絵を描いているのを見て、毎月漫画雑誌を買ってきてくれました。お母さんのお姉さんも漫画のアシスタントをやっていて、絵を描く環境がすごく整っている幼少期でしたね。
--小さい頃はどんな絵を描いていたのですか?
安藤:とにかく人の顔を描くのが好きで!生首を大量生産していました(笑)お母さんには顔ばかりじゃなくて、体もかきなさい!と怒られていましたね。中学でも美術部に入って、イラストばっかり描いていました。小さい頃から絵を描くのが楽しくて、そのままずっと続けていたら今に至る感じですね。
大学の油絵作品
最後に
--作品制作をしている上で大切にしていることは?
安藤:1番「好きだな」と「楽しいな」という気持ちだけは大切にして作品制作を続けていきたいです。絵を描いている人は理性的に楽しいと思っている人g相違と思います。しかし私は、幼稚園児の子供のような純粋な「楽しい!」という気持ちをずっと大切にしていきたいです。
--将来の夢は?
安藤:具体的にはまだ何も決まっていないのですが、最近推しのライブに行く回数が増えて舞台の装飾に興味を持つようになりました。何か美術的なことには携わりたいと考えています。人のものづくりを手伝って、誰かと一緒に作品を制作していきたいですね。
銅版画作品
銅版画作品